こんにちは。
こちらはEmotional・L(エモーショナル・ラブ)という自作BL小説ブログです。
二次創作及びBL併載ブログからBL単独のブログに移行しました。
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※腐っております。R指定もございますので
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御連絡
「秘密ブログ」
Fleurage―たおやかな花たち―
は、引っ越しいたしました。
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成嶋ハル 
最新更新記事&連載中の小説
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いつかこんな晴れた日に 22(5月17日)
大野敦の憂鬱 嵐の予感 6(5月17日)
いつかこんな晴れた日に 21(5月16日)
大野敦の憂鬱 嵐の予感 5(5月16日)
いつかこんな晴れた日に 20(5月15日)
大野敦の憂鬱 嵐の予感 4(5月15日)
いつかこんな晴れた日に 19(5月14日)
大野敦の憂鬱 嵐の予感 3(5月14日)
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イラスト K24さま
現在連載中の『BL自作小説』******************************
『Scandal』 完結
(国会議員と高校生、湊と蒼唯シリーズ)
Scandal 1 2 3 4 5 6 7(R)8(R) 9(R) 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21
22 23(R) 24(R) 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41
42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52
53 54 55 56 57 58 59 60(最終話)(3月10日)
『Scandal』スピンオフ
大野敦の憂鬱 Love contract 1
大野敦の憂鬱 Love contract 2
大野敦の憂鬱 Love contract 3R
大野敦の憂鬱 Love contract 4R
大野敦の憂鬱 痴情1
大野敦の憂鬱 痴情2
大野敦の憂鬱 痴情3R
大野敦の憂鬱 痴情4R
大野敦の憂鬱 痴情5
大野敦の憂鬱 2月のバラ1
大野敦の憂鬱 2月のバラ2
大野敦の憂鬱 2月のバラ3
大野敦の憂鬱 2月のバラ4
大野敦の憂鬱 2月のバラ5
大野敦の憂鬱 2月のバラ6
大野敦の憂鬱 2月のバラ7R
大野敦の憂鬱 2月のバラ8R
大野敦の憂鬱 2月のバラ9R
大野敦の憂鬱 2月のバラ10
大野敦の憂鬱 Addicted 1
大野敦の憂鬱 Addicted 2
大野敦の憂鬱 Addicted 3
大野敦の憂鬱 Addicted 4
大野敦の憂鬱 Addicted 5R
大野敦の憂鬱 Addicted 6R
大野敦の憂鬱 Addicted 7R
大野敦の憂鬱 Addicted 8R
大野敦の憂鬱 Addicted 9
大野敦の憂鬱 兄弟牆に鬩げども外その侮りを禦ぐ‥?(3月27日)
大野敦の憂鬱 愛される理由 (4月7日)
大野敦の憂鬱 嵐の予感 1
大野敦の憂鬱 嵐の予感 2
大野敦の憂鬱 嵐の予感 3
大野敦の憂鬱 嵐の予感 4
大野敦の憂鬱 嵐の予感 5
大野敦の憂鬱 嵐の予感 6(5月17日)
北原悠也の幸福論 1
北原悠也の幸福論 2
北原悠也の幸福論 3
北原悠也の幸福論 4
北原悠也の幸福論 5
北原悠也の幸福論 6(R18)
北原悠也の幸福論 7
北原悠也の幸福論 8
北原悠也の幸福論 9
北原悠也の幸福論 10
北原悠也の幸福論 11
北原悠也の幸福論 12
北原悠也の幸福論 13
北原悠也の幸福論 14
北原悠也の幸福論 15
北原悠也の幸福論 16
北原悠也の幸福論 17
北原悠也の幸福論 18R15
北原悠也の幸福論 19R18
北原悠也の幸福論 20R18
北原悠也の幸福論 21
北原悠也の幸福論 22
北原悠也の幸福論 23 完結(4月23日)
サクラノソラ 大野×北原(3月11日)
残んの花 大野×北原(5月2日)
鈴木理佳秘書の恋愛事情
スノードロップ 1
スノードロップ 2
スノードロップ 3
スノードロップ 4 R
スノードロップ 5
スノードロップ 6
スノードロップ 7
スノードロップ 8
スノードロップ 9
スノードロップ 10
スノードロップ 11
スノードロップ 12
スノードロップ 13
スノードロップ 14
スノードロップ 15
スノードロップ 16
スノードロップ 17
スノードロップ 18
スノードロップ 19
スノードロップ 20
スノードロップ 21
スノードロップ 22
スノードロップ 23
スノードロップ 24
スノードロップ 25
スノードロップ 26
スノードロップ 27
スノードロップ 28
スノードロップ 29
スノードロップ 30
スノードロップ 31
スノードロップ 32
スノードロップ 33
スノードロップ 34
スノードロップ 35
スノードロップ 36
スノードロップ 37R18
スノードロップ 38R18
スノードロップ 39R18
スノードロップ 40
スノードロップ 41
スノードロップ 42
スノードロップ 43
スノードロップ 44
スノードロップ 45
スノードロップ 46
スノードロップ 47 最終話(5月11日)
いつかこんな晴れた日に 1
いつかこんな晴れた日に 2
いつかこんな晴れた日に 3
いつかこんな晴れた日に 4
いつかこんな晴れた日に 5
いつかこんな晴れた日に 6
いつかこんな晴れた日に 7
いつかこんな晴れた日に 8
いつかこんな晴れた日に 9
いつかこんな晴れた日に 10
いつかこんな晴れた日に 11R18
いつかこんな晴れた日に 12
いつかこんな晴れた日に 13R18
いつかこんな晴れた日に 14R18
いつかこんな晴れた日に 15R18
いつかこんな晴れた日に 16
いつかこんな晴れた日に 17
いつかこんな晴れた日に 18
いつかこんな晴れた日に 19
いつかこんな晴れた日に 20
いつかこんな晴れた日に 21
いつかこんな晴れた日に 22(5月17日)
完結したものはカテゴリでご覧いただけます。 
いつかこんな晴れた日に 22
「風呂入ってきたよ」
智紘が葉月の部屋に戻ると、
パジャマに着替えた葉月は壁際のベッドに膝を抱え座っていた。
明るい照明の中でくらい海の方をみつめている。
黙って彼の隣に腰掛けると智紘の方を向いて
にっこりと笑った。
「聞いてもいいんだよね‥?」
「‥‥この間呼びだしたこと?」
「そうだね、両腕にくっきり青紫のモップの柄の形がついて
腫れあがってた。
考えてみると‥あの時、匂わせてはいたけど拓真さんが殴ったとは
一度も言ってなかった。
なんで‥?」
「拓ちゃん‥3日くらいいなくて‥腕は痛いし‥腹が立つし
寂しいし‥‥それで‥ごめんなさい!」
「‥‥本家に呼ばれてたのは‥」
「僕は一切、本家のものは頂くつもりないって言うのを
伝えたいと思って‥でも僕をすごく憎んでいるのが分ったんだ」
「‥虐待‥されたの?」
「‥‥」
「そうか‥もうあそこに行かなくていいからね」
「僕は‥拓ちゃんのことを悪く言われるのが嫌だったんだ」
「大事な‥たったひとりの肉親だからね」
「‥‥僕‥本当は都内の高校なんて受けたくない」
「離れたくないの、拓真さんと?」
「‥‥うん。
だって僕が守らないと‥誰が守るの?」
「葉月‥拓真さんのことはもう‥マスターがいるじゃん」
「‥‥」
「それが寂しいの?葉月は僕のことを好きなんだよね。
一緒に東京で暮らそう。
それが拓真さんの望みなんだよ」
「どうして僕と離れるのが望みなの?」
今にも泣きだしそうなか細い声で呟く葉月の肩を抱く智紘。
「葉月はどういう愛情を拓真さんに持ってるの?」
「物心ついた時から母親よりも拓ちゃんが傍にいたよ。
母は‥いつもここに‥本家に戻ってきていたんだと思う。
だから僕の面倒を見たのは‥拓ちゃん。
こっちに戻ってきて仕事量が増えて‥ひとりのことが多かったけど
僕の為に仕事してくれてるから僕は我慢しなきゃいけなかったのに‥」
「晶さんは‥拓真さんが好きで都内の老舗をたたんで鎌倉まで来たって‥
晶さんの拓真さんに対する愛情と葉月の拓真さんへの愛情は
種類が違うよね」
「‥‥うん。
分ってる。僕が抱き合いたい相手は‥紘ちゃんだけだよ」
「だったら‥一緒に東京暮そう?」
抱きよせられた胸の中で‥
「まだ‥待ってくれる?」
智紘を見上げる葉月、その瞳が不安げに揺れている。
「まだ早いよ。
俺だって理性はあるからね。
葉月と一緒に東京で暮らし始めてから‥それまで待つよ」
「でも‥一緒にベッドに入ってくれる?」
「拷問に近いけど‥‥葉月が望むなら‥傍にいる」
「このうちから大学に暫く通える?」
「そのつもりだよ。
本家のことを拓真さんに聞いてからじゃないと‥
本家には戻らないし‥どっちにしても当主の座にはつかないつもりだから」
「‥‥ありがとう‥」
胸に擦りつけてくる葉月の白い額が胸に熱い。
柔らかな髪を梳きながら
「拓真さんは‥マスターのとこに泊るの?」
尋ねると、
顔を上げて「当たり前だよ、恋人同士だもん」
葉月が答えた。
「こっちの恋人同士は‥まだまだなんだね?」
「まだ‥待ってくれる?」
「‥うん」
(14才の彼に待ってほしいと言われて‥待つしかないじゃないか)
「なんで交際を断るのさ」
ベッドでそっぽを向いている拓真を背中から抱き締めながら
晶がふっ‥と、笑った。
「なにを今更。
俺がどうしてここに来たのか、知っているのにそんなことが
よく言えますね」
「だから‥申し訳ないと僕は‥」
「まだ言ってるんですか!」向き合うように肩と腰を抱えて拓真の体を反転させた。
視線を逸らす彼の頬を包み込んで自分の方を向かせると
「あなただけだ。
初めて会った時からあなたのことしか愛してない。
なんにもいらなかったんです。
ただ傍にいたかった」
何度も口にしている言葉をささやいた。
「家をあんな形で出てか!」
「あなたが本意でない結婚して‥苦しんでいるのに‥
離れた場所で悶々としていることはできないでしょう。
なにを犠牲にしても俺は‥あなたを守るんです」
「普通、結婚したら‥諦めるものだけど。
きみは‥全然そんな感じじゃなかった」
「拓真さんが相手を好きで本気で結婚したいと思っていたのなら
引きましたけど‥全然そうじゃなかった。
俺のことを想っててくれた。
だから‥‥俺はすべてを捨てたんです」
「それで‥‥幸せなのか‥?」
「あなたは―
拓真さんは今、俺の腕の中にいて幸せですか?」
続く
短くてすみませんっ!
誤字脱字もすみませんっすぐ直しますっ!(もしありましたら)
ポチand拍手(^v^)いつもありがとうございますm(__)m
Posted on 2012/05/17 Thu. 15:39 [edit]
category: いつかこんな晴れた日に
大野敦の憂鬱 嵐の予感 6
晴れていても東京の空は美しいとは思わないが
薄紫からだんだんと迫る濃いグレー‥そして完全に陽が落ちると
車や、ビルのライトが月並みな言い方だけど宝石箱をひっくり返したような
輝きを放つ。
45階のフレンチレストランの前で僕を待っていたのは―
ブランドのスーツに身を包んだ国広新秘書。
そんなブランドのスーツが似合っても‥永田町じゃなんの役にも立たない。
そこんとこ‥分ってほしいな。
「携帯の電源は落として下さいね、こういう場所ですから」
まず、言われたのはそれ。
常連らしい彼は特に変わった様子もなく黒服の後ろをついて行った。
で、案内されたのが4人用の個室で、驚いたのはその見晴らしの素晴らしさ!
僕は彼のことよりもその個室から望むスカイスクレイパーの美しさに
気を取られていた。
さすが都内で一番の高層ホテルのレストランだ。
「食前酒、シャンパンでいいですか?」
「勝手に高いモノを注文しないでくださいよ、割り勘なんですから」
「ドンペリのボトルは――」
「ダメです」
「‥じゃ、グラスでいいですから」
「仕方ないですね‥コースは国広さんにお任せしますかすら」
魚介系フレンチと銘打ったフレンチレストランお勧めの
6品のコースを彼がオーダーし同時に頼んだ食前酒。
それが‥
グラスのシャンパン一杯で4800円‥だそうで。
料亭を使うとホテルのフランス料理の比じゃない。
桁が違ったりするからあまり驚かないが
さすがに僕は自腹だから気にしない訳にはいかない。
彼は金額とかには拘らないだろう、いいところの坊やだから。
それに、
こういう場所に慣れているんだ。
「国広さんのお父様は大手製薬会社のCEOなんですね」
接待される側にもする側にも立つんだろう。
大病院と製薬会社の癒着なんて珍しくはないが。
「それより‥大野さんのスーツ‥日本橋の橘屋のオーダースーツですよね」
‥いいモノを見極める目も持っているらしい。
「僕はこの国の代議士の秘書ですから‥国産に拘ります」
「いつもいいもの着てると思ってたんですよ。
オーダーメードは国産じゃないと」
‥‥じゃ、なんで英国ブランドのスーツなんですか。
「国広さんはいつもなにを想って仕事しているんですか?」
「‥‥なにって‥今のところ陳情の対応とかお茶くみに‥
運転手ですから‥考えようもなく仕事をこなすだけです」
「もう6年もたつのに‥」
「ですよね、6年ですね」
「秘書の前はお父様の会社の重役だったのにどうして
やめられたのか不思議ですが」
頬杖をつき、夜景をみつめながら
「つまんなかったんですよ」
ポツリと言った。
「製薬会社の重役が‥ですか?」
「常務だったんですけど‥印鑑を押すだけの毎日でしたから
飽きちゃって‥」
飽きたって‥
「で、父に頼み込んで‥北原先生の秘書として雇ってもらったんです」
「‥‥楽しいですか?」
お茶くみや、運転手。
「色んな人間が野心を持って近づいてきますよね、幹事長には。
幹事長から近付いたのは‥大野さんだけなんですよ。
今思うと‥好きだったんですね、大野さんのことを」
「‥‥」
この人は変わってる。
のんびりしているようで、ひとの細かい動きを感じとって‥
「先生はお忙しいですよね、きっと数年後‥もしかしたら来年にも
党総裁‥総理の座につくかも知れないですし。
だから会ってないでしょう、ここ一週間」
にこっと笑って僕を見た。
なにを言いたいのか‥
「‥的場議員も優秀なひとですから
政権与党の中枢をいずれ担いますよね。
そうなると大野さんだって今以上に忙しくなる。
‥ますますすれ違うばかりですよ。
男女とは違って法的に結ばれることもなく‥いいんですか、それで」
「なにが言いたいんですか?」
「自分の場合は3男ですから後継者はいらないんです。
だから好きでもない女と結婚なんてしなくてすむからいいんですけど
優秀なおふたりの遺伝子を受け継ぐ人間がいないなんて勿体無いと
思いませんか?」
確かにね。
僕はともかく、あのひとの遺伝子は残した方が良いのかも知れない。
だけどそれは――
「国広さん、あなたにそんなことを心配してもらわなくてもいいと、
幹事長は言うでしょうね」
「‥そっか‥ですよね」
特に気分を害したようでもなく、冷たくも温かくもないフレンチを
胃にシャンパンで流し込むように彼は摂取する。
そう、摂取。
タラバ蟹と壬生菜のサラダ‥鯛と黒トリュフのブレゼ、
フランス産仔鴨のロースト、フォアグラのクレームブリュレ添え‥
そんな高級食材を使用したフレンチを‥
美味しそうに食べているという感じじゃなく‥なんだろう、
目的は食事じゃない気がする。
「国広さん‥デートしてくれたら彼の、波津優希くんの面倒を見てくれると
言いましたよね。
あなたはいつもなにを目的でデートというか、会うんですか?」
「‥製薬会社の3男には色んな女が寄ってきますけど‥
打算づくですよ。
目的は‥金。
そう言うのを高校生くらいから見てきているから女が
嫌いになったのかも‥そんなことはどうでもいいですね。
目的って‥大野さんはなんの目的もなくてデートしてたんですか?」
「‥‥僕は‥」
「あなたってさ、心がキレイなんですよ。
だからこうして俺なんかのお願いを聞いてくれる。
それも‥ひとの為に。
キレイな心で‥キレイな顔して‥
薄汚れた永田町であなたのようなひとに会えるとは思わなかった。
元々、どれだけ汚れたものが見れるんだろうとワクワクしてたのに
先生は純情一筋にひとを想うし、
あなたは自分が表に出ることなく、代議士の為、ひいては国民の為に
仕事をしようとする。
なんでですか?なぜ、そんなことができるんですか?
俺はそれを聞いてみたかったんです。
そしたら‥何かが掴める気がして―」
「僕なんか、ただの秘書です」
「―にしては‥純粋すぎる。
秘書ってもっと‥‥ああ、そうだ、
もっと夜景がキレイな場所に移動しませんか?
53階に部屋を取ってます」
「‥‥」
どういう意味だろうか。
「ここでいつまでも話しはできませんよ。
‥ゆっくり部屋で話を聞きたいんです」
「話をするだけですね?」
「大野さんの本意でないことをするつもりはありません」
信じていいのだろうか。
いつもの青白く見える結膜が黒々とした瞳孔を美しく縁取る。
やっぱり、無垢な子供のような‥瞳だ。
続く
あっちゃんこそ、無垢な子供のようです(^_^;)
オトコはみんなオオカミですよ。
ポチand拍手(^v^)いつもありがとうございますm(__)m
いつかこんな晴れた日に 21
「いいの、あんなこと言って」
ランチタイムが過ぎ窓際にひと組だけ残る店内。
そのカウンターに拓真が腰掛けていた。
「いずれ手離すんだったら今のうちにあいつに自覚させといたほうがいい」
「あいつ‥智紘くん?」
「葉月も好きなようだし」
「でもまだ若いのに‥」
「若さなんか関係無い、出逢ったことが彼らの言うところの運命なら
仕方ないだろ」
「葉月ちゃんを手離すんですか‥」
「高校は都内の高校を受けさせるってだけだ。
智紘くんも大学通ってるしね」
「‥一緒に?」
「悪いか?」
「だって拓真さんは‥」
「あき、余計なことは言うな」
ホールにいた聡太の方をチラリと見て
「あのことを葉月が知っているかどうか‥判断できないんだ」
「‥‥そうか。
でも知った方がいいんじゃないですか?」
「‥‥迷ってる。
彼がうちに来る時‥傍にいてくれないか」
「珍しい!俺のこと頼ってくれるなんて‥」
「別に嫌ならいいんだ」
「誰も嫌なんて言ってないじゃないですか!」
「あの、マスター‥」
出入り口の方を見ながら聡太が寄ってきた。
「どうした‥?」
「古川さんのお嬢さんが‥マスターに用があるって‥」
「‥‥俺は用がない。追い返してこい」
「なに言ってるんですか、常連さんですよ。
それもあの有名な作家先生の‥」
「どこにいるんだ」
苦々しい顔をして尋ねるとドアの外を指さした。
「あきはモテモテだね、さっさと告白受けてこい!」
「なに言ってんすか、俺は拓真さんだけなんですよ?」
「‥‥あの‥晶さん‥」
そうこうしてるうちに痺れを切らしたのか
いかにも作家のお嬢さんらしく清楚なふんわりとしたピンクのワンピースと
長い黒髪が愛らしい。
「‥‥古川さん、こっちでお話しできませんか?」
「いえ、あの‥」
「行ってくればいいじゃん」
頬杖を突いてそっぽを向いている拓真の様子に弱りながらも
仕方なくカウンターを出て、扉から顔を覗かせる彼女の傍に晶が向かった。
「‥‥あの子可愛いですけど‥マスターの趣味じゃないですよ。
拓真さんのようにどこから見ても美形じゃないとダメですよ」
「‥‥」
黙って立ち上がった拓真がドアから出ると、目の前の晶と彼女を無視して
前の海岸に降りて行く。
「どこ行くんですか、拓真さん!?」
「返事はいただけないんですか!?」
「響子さん、返事も何も‥俺には好きなひとがいますから
あなたとお付き合いはできません!」
慌てて拓真を追いかけながら振り向きもせずそう叫んだ。
「ちょ‥拓真さん!待って下さいって!」
砂浜に降りてやっと彼の腕を掴まえた。
はぁはぁ‥と、中腰で息を切らしながら拓真を見上げると―
午後の海を彼は見ていた。
サーファーの姿はなく、遠く小さなヨットの影が見えるだけで
静かな‥真夏を待つばかりの海だ。
「どうしたんですか?」
「全部忘れて‥誰かと結婚でもした方がいいんじゃないか?」
「‥‥結婚‥?」
「僕の為にすべてを捨てたきみに僕がこんなことを言うのは
おかしいかも知れないが‥その方がきみの為かも知れない」
「‥‥ふたりはどこに行ったんですか」
ふぅー‥と、息をひとつはいて晶が尋ねた。
「うちにふたりでいるよ。
僕は邪魔なんで‥」
「じゃ、俺んちに泊るんでしょ?」
「‥‥朝まで砂浜に座っていようかな」
「へそ曲りですね、同じ兄弟でも‥あ、すみません」
「‥いいんだ。
そのことも話さなきゃならない。
だけど葉月はだいたいのことは調べてるんだ。
賢い子だからな」
「そうですか‥でも俺は傍にいますからね。
うっとおしいからどっか行けって言われても‥拓真さんは
俺のだし‥」
「僕はモノか!」
「あなたは変わらないですね、あの頃と。
周りは変わって行ってもあなたは‥そんなところが好きなんです」
「だからあきはバカだって言うんだ。
自分の方こそバカみたいにこんな人間を好きだのなんのって‥」
砂浜に並んで座り、薄く靄がかかったような海を見ていた。
「僕は‥今更東京に戻ろうとは思わない」
「俺だって‥戻りませんよ。
ここで一生、あなたと暮らすんです」
「ばーか‥」
「バカで結構です、俺はあなたのキレイな顔をずっと見ていたい」
「よくそんな‥恥ずかしげもなく‥」
「ちっとも恥ずかしくないです。
それでですね‥あの‥俺と結婚して下さいよ、拓真さん」
「‥‥日本の法律では認められてない」
「えっ‥‥そんな冷静に‥いや、形だけでいいんですよ。
法的に認められなくてもそんなのはどうでも―」
美しい横顔は特に表情を崩すことなく真っ直ぐ海をみつめている。
ふと、晶を見上げて――
「紫陽花が咲いたら成就院に行こうか‥」
拓真が言った。
「葉月ちゃんも一緒に3人で行きますか!」
そう言いながら拓真の肩を抱き寄せる。
拓真はジロッと晶を見上げ‥
「ふたりだけで行くんだっ」
そう言って晶の腕を押しのけた。
「‥‥あ‥そうか‥俺やっぱバカですね。
あははははは‥」
「笑うな!ほんとのバカじゃないのか、きみは」
「朝早く行かないと大変だから‥俺がオープンサンドかなんか作って
帰りに浜まで行ってふたりで食べようかな」
「それまでに‥‥」
「‥えっ‥?なんですか?」
「いや‥5時まで閉めてるのか?」
「今日はランチ営業長かったんで‥散歩しますかね」
「そうだな。
誰もいない海を楽しめるのは‥今だけだ」
(季節だけじゃない、これからは‥色んな事が変わって行く‥)
晶の差し出した手を握って、砂を払いながら拓真は立ち上がった。
続く
ポチand拍手(^v^)いつもありがとうございますm(__)m
Posted on 2012/05/16 Wed. 14:44 [edit]
category: いつかこんな晴れた日に
大野敦の憂鬱 嵐の予感 5
なんとかしないと――
僕は使命感の様なものを感じていたのかもしれない。
土曜日も北原幹事長はホテル泊りだった。
前日は執務室奥の狭小のプライベートルームのソファベッドに寝たらしいし。
彼が自宅に戻れない状況で、私設秘書の彼がどうして日曜の夕食を
真新しい外資のホテルの高級フレンチレストランで摂れるのか。
理由はただひとつ。
‥くにひろあらた‥彼こそ私設秘書の代名詞である『コネ』で雇われているからだ。
6年経っても彼はたいして変化がない。
仕事の面でも、ビジュアルの面でも。
子供のように濁りのない結膜の美しさ‥それがなにより目を引く。
さぞかし女性にモテただろう。
そんな個人的なことは聞いたことがないから分からないけど
鈴木さんが言うには―
「彼は背も高いし、キレイだけども‥自分以上に完璧じゃないと
好きにならないって言ってましたよ」
なんて不遜なことを言うんだろう。
的場湊でさえそんなことは‥‥まぁ、似たり寄ったりだが。
「女の子の長い髪が自分のスーツに触れてもゾッとするとか言うし‥
オトコを誘おう、誘おうって魂胆が見え見えの香水の匂いが
大嫌いだって。
僕に付き合ってほしいって言ってきたけど、
僕は20代しかダメなんですって言ったら‥諦めてくれました」
潔癖症なのかな。
で、ゲイ。
潔癖症のゲイなんて始末におえない。
‥ベッドになど入れるのか?
入って触れた途端、吐いたりして。
最悪だな。
超多忙でも休んでいいよと言われる私設秘書なんて‥クビになったら
いったいどこが雇ってくれる?
‥‥なんとかしないと、彼は‥ヤバい。
元々彼は‥悠也さんは優しいひとだけども‥仕事には厳しい。
厳しい彼が比較的国広秘書には甘い。
自分の弟に接しているような感じで、国ちゃん‥と、呼ぶ。
可愛がっている彼を切りたくはないはずだ。
だから苦渋の選択なんてさせたくない。
優しいあのひとにとっては‥精神的ダメージになるから。
だからなんとか‥国広秘書の考えを変えたい。
なんのために、誰の為に幹事長の秘書として勤めているのか
考えてほしい。
そんなこともあって‥僕は彼の申し出を受けた。
彼は‥デートだというが、
僕としては国家戦略会議のつもりで臨みたいと思っていた。
あのひとの帰ってこないリビングのソファで
国広秘書のプロフィールとにらめっこしていたら足元に朝日が射し込んできた。
「笑顔は‥天下一品だと思うんだけど‥
頭だって東大だし‥知識はあると思う。
知識はあっても良識や常識で欠けている子は沢山いるし。
性格は悪くないと思うなぁ‥悠也さんが可愛がっているくらいだから。
顔はホントに‥誰だっけ‥俳優の‥斉藤工みたいな顔だし、
彼のいいところを引き出して‥
怖い顔の秘書よりキレイな笑顔の秘書が良いに決まってる―
ってうちの先生はよく言うけど‥それはそうだな」
近頃僕は――
ひとりでブツブツ言いながら広いリビングをしょっちゅうウロウロしてる。
自室のベッドにひとりでいると際限なく奈落の底まで落ちて行きそうで‥イヤだ。
かと言って、あのひとのベッドに入ると‥思い出して辛い。
暖かで、広くて厚い胸を‥匂いを想うと‥それも鼻の奥がツンとするような
感覚が襲ってきて、みっともなく涙なんて出そうになるから
リビングの2メートルはあるソファで横になったり、
テレビは滅多に見ないけど、ドキュメンタリー番組を見たり
(この間のエルミタージュ美術館の特集は興味深かった)
お茶を飲んだり‥‥
でもどうして引っ越してきたのかな。
これなら通ってくる方が心が痛まなくていい。
聞き分けのない子供のようなことは言いたくないし、したくないから
彼には絶対‥言わない。
寂しいなんて‥‥言ったりしない。
そんな‥そんな日曜日の朝は――
心と裏腹、晴れあがっていた。
高層マンションと言っても見えるのはどことなくグレーな空‥
晴れていても東京の空は銀鼠色、青磁色‥鳩羽紫色かな。
対流圏を吹き飛ばして‥成層圏の空を見てみたい気分だ。
窓も開けずにそんな空を見上げる日曜日‥
僕の気持が彼に届くのか、
はたして感応道交のようなものがまるっきり生き方も立場も違う、
僕と彼の間に生まれるのか‥予測もつかない。
この空に張った薄いグレーの膜のような、
隔たりが取り払われたらいいな‥
せめて、ひとつでも共感できることがあればそれで上出来かもしれない。
「シャワーでも‥しようかな」
レースのカーテンだけさっと閉じて僕はバスルームに向かった。
続く
次回、超高級フレンチ‥です。
あっちゃんはもう少し我儘でもいいと思いますね。
幹事長も悪い。
私はやはりあっちゃん派。
48はコジハル派。スタイルの良い子がすきだぁーーっっ(叫)
でも痩せて細いだけじゃダメーー。
太股むちむち、お胸も豊かな方が好き‥‥私はオトコではありませんよ(笑)
ポチand拍手(^v^)いつもありがとうございますm(__)m











